まごの手スタッフブログ

冬の食中毒はなぜ?原因のノロウイルス対策と予防法

食中毒は夏に多いイメージがありますが、実は冬にも多発します。その主な原因は、低温と乾燥を好むノロウイルスです。

この記事では、なぜ冬に食中毒が増えるのか、その原因となるウイルスの特徴から、具体的な症状、そして高齢者施設で実践すべき対策と予防法までを詳しく解説します。

正しい知識を身につけ、集団感染のリスクを減らすための対策を徹底しましょう。

 

冬に食中毒が増加する理由とは?低温と乾燥を好むウイルスが主な原因

冬に食中毒が多い理由は、この時期に流行するノロウイルスなどのウイルスが低温と乾燥した環境で長く生存できるためです。細菌が原因の食中毒は高温多湿の夏に多い一方、ウイルスによる食中毒は空気が乾燥する11月から3月にかけて増加傾向にあります。

感染者の糞便や嘔吐物から排出されたウイルスが、乾燥によって空気中に漂いやすく、知らず知らずのうちに口から侵入して感染を広げることが、冬に多い一因です。

 

冬の食生活で警戒すべき食中毒の原因

冬に最も警戒すべきなのはノロウイルスに代表されるウイルス性の食中毒ですが、細菌性の食中毒も年間を通して発生するため油断はできません。

例えば、鶏肉の加熱不足で起こるカンピロバクターや、作り置きの煮込み料理で増殖するウェルシュ菌も冬場の食中毒の原因となりうる菌です。それぞれの特徴を理解し、適切な対策を講じる必要があります。

 

また、冬は風邪やインフルエンザも流行するため、体調不良が食中毒によるものか判断に迷うことがあります。

風邪の症状が咳、鼻水、喉の痛みといった呼吸器系が中心であるのに対し、食中毒は吐き気、嘔吐、腹痛、下痢といった消化器系の症状が強く現れるのが特徴です。

発熱はどちらでも見られますが、激しい嘔吐や下痢がある場合は食中毒を疑うべきです。原因となるウイルスや細菌によって潜伏期間や症状の現れ方が異なるため、それらの特徴を知っておくことが早期発見と適切な対応に繋がります。

 

【冬の食中毒の代表格】感染力が非常に強い「ノロウイルス」

冬の食中毒の主な原因であるノロウイルスは、非常に感染力が強いウイルスです。

主な感染経路は、ウイルスに汚染された二枚貝などを生や加熱不十分で食べる経口感染、感染者の便や嘔吐物に触れた手指を介して口に入る接触感染、そして嘔吐物などが乾燥して空気中に舞い上がったウイルスを吸い込む飛沫感染です。

特に高齢者施設など集団生活の場では、一人の感染者から一気に感染が拡大するリスクが高く、また、抵抗力の弱い高齢者は重症化リスクが高いため厳重な警戒が求められます。

 

ノロウイルスは、わずか10〜100個程度のウイルスが体内に入るだけで発症し、主な症状として突然の吐き気や嘔吐、水様性の下痢、腹痛が挙げられます。特に、前触れなく突然始まる激しい嘔吐が特徴的で、何度も繰り返すことがあります。場合によっては37〜38℃程度の発熱を伴います。

これらの症状は通常1〜2日続いた後、自然に回復に向かいます。

高齢者の場合、嘔吐や下痢による脱水症状を起こしやすいため、こまめな水分補給が欠かせません。また、嘔吐物を喉に詰まらせて窒息したり、誤嚥性肺炎を引き起こしたりするリスクもあるため、体調の変化には細心の注意を払い、迅速な対応が必要です。

 

魚介類に潜む危険!激しい痛みを引き起こす寄生虫「アニサキス」

アニサキスは、サバ、アジ、イカ、サンマといった魚介類に寄生する寄生虫です。

これらの魚介類を刺身など生の状態で食べると、アニサキスが胃や腸の壁に突き刺さり、食後数時間から数十時間で激しい腹痛や吐き気、嘔吐を引き起こします。
アニサキスによる食中毒は、一般的な食中毒と異なり下痢を伴うことは稀です。

予防策としては、加熱が最も効果的であり、70℃以上で死滅します。また、-20℃で24時間以上冷凍することでも感染性を失わせることが可能です。

見た目で確認して取り除くこともできますが、完全ではないため加熱や冷凍が確実な対策となります。牡蠣は主にノロウイルスの原因となりますが、他の魚介類ではアニサキスにも注意が必要です。

 

加熱不十分な肉に注意!鶏肉などが原因になりやすい「カンピロバクター」

カンピロバクターは、主に鶏、牛、豚などの腸内に生息する細菌で、特に鶏肉の加熱不十分な調理が原因で食中毒を引き起こすことが多いです。
潜伏期間が2〜5日と比較的長いのが特徴で、下痢、腹痛、発熱などの症状が現れます。

 

常温そのまま放置は危険!カレーやシチューで発生しやすいウェルシュ菌

ウェルシュ菌は酸素のない環境を好み、熱に強い性質があります。

カレー、シチュー、おでんといった大鍋で大量に調理される煮込み料理で増殖しやすく、加熱後も室温で長時間放置すると菌が増殖して食中毒の原因となります。

およそ6〜18時間程度で発症します。提供する際は再加熱を徹底し、速やかに喫食してもらうことが重要です。

原因を特定し、感染拡大を防ぐためにも、いつ何を食べたかを把握しておくことが重要です。

 

今日から実践!冬の食中毒を未然に防ぐための具体的な予防法

冬の食中毒、特にノロウイルス感染を防ぐためには、施設全体で統一された予防対策を徹底することが不可欠です。

食中毒予防の三原則は「付けない(洗浄・消毒)」「増やさない(温度管理)」「やっつける(加熱)」ですが、ウイルス対策では特に「持ち込まない」「拡げない」「やっつける」という視点が重要になります。

調理員の健康管理はもちろん、正しい手洗いの励行、調理器具の適切な洗浄・消毒、そして食材の中心部まで確実な加熱を行うなど、具体的な予防法を日々の業務に組み込む必要があります。

 

食材の中心部までしっかり!ウイルスを失活させる加熱の温度と時間

ノロウイルスを失活させるには、十分な加熱が最も効果的な方法です。

ノロウイルスは熱に弱いため、食材の中心部の温度が85〜90℃の状態で90秒以上加熱することが推奨されています。調理の際は、中心までしっかりと熱が通っているかを確認することが極めて重要です。

 

感染経路を遮断する!石鹸を使った正しい手洗いの手順

ノロウイルス感染の予防において、最も基本かつ重要なのが手洗いです。

ウイルスを物理的に除去するために、石鹸を十分に泡立て、30秒以上かけて丁寧に洗いましょう。特に、指先、爪の間、指の付け根、手首は見落としがちな部分なので、意識して洗う必要があります。

洗浄後は流水で十分にすすぎ、清潔なタオルやペーパータオルで完全に水分を拭き取ります。
調理前、食事介助前、トイレの後、そして汚物処理の後など、適切なタイミングで手洗いを行うことを徹底し、接触感染の経路を遮断することが施設内での感染予防の第一歩です。

 

調理器具からの感染を防ぐための洗浄と熱湯消毒のポイント

ウイルスに汚染された調理器具を介して、他の食材へ汚染が広がる二次汚染を防ぐ対策も重要です。


使用後のまな板、包丁、ボウルなどの調理器具は、洗剤を使って十分に洗浄した後、熱湯による消毒が効果的です。85℃以上の熱湯に1分以上浸すことで、ノロウイルスを失活させることができます。

また、次亜塩素酸ナトリウム溶液(塩素濃度200ppm)に浸して消毒する方法も有効です。
特に、生肉や魚介類を扱った器具と、加熱せずに提供する食品を扱う器具は、明確に使い分けるか、その都度徹底した洗浄と消毒を行う必要があります。

 

二次感染を防ぐ!嘔吐物の適切な処理方法と消毒

施設内で嘔吐物が発生した場合、迅速かつ適切な処理を行うことが二次感染の対策として極めて重要です。

処理を行う際は、使い捨てのガウン、マスク、手袋を着用し、自身の感染を防ぎます。嘔吐物はペーパータオルなどで外側から内側へ静かに拭き取り、ビニール袋に二重に密閉して廃棄してください。

その後、嘔吐物があった場所を中心に、広めの範囲を次亜塩素酸ナトリウム溶液(塩素濃度1000ppm)に浸した布やペーパータオルで覆い、10分ほど置いてから水拭きします。必ず十分に換気を行ってください。

 

ノロウイルスにアルコール消毒の効果は限定的!

ノロウイルスは、一般的に手指消毒に用いられるアルコール消毒剤が効きにくいという特性を持っています。

そのため、ノロウイルス対策としてアルコール消毒だけに頼るのは不十分です。手指についたウイルスを除去するには、石鹸と流水による物理的な洗浄が最も効果的な方法となります。

アルコールが全く無効というわけではありませんが、その効果は限定的であると理解し、正しい方法で予防策を講じる必要があります。

 

ノロウイルス対策として冷凍食材の活用

前述したように、食中毒は夏に多いイメージがありますが、冬場もノロウイルスを中心に大きなリスクが潜んでいます。

特に高齢者が共同生活を送る施設では、ひとりの感染が大規模な集団感染につながる可能性があり、日頃からの予防対策が欠かせません。

予防の基本は、「持ち込まない・拡げない」という地道な取り組みの徹底です。日々の手洗い、調理器具の消毒、そして食材の中心部までしっかり加熱することが重要になります。

しかし、施設側がどれだけ管理を徹底していても、外部の給食委託会社を利用している場合、委託先スタッフの衛生管理まで完全に把握することは難しく、実際に集団食中毒が発生したケースもあります。

体力が落ちている高齢者が感染すると、命に関わる重大な事故につながり兼ねません。
こうしたリスクを軽減する手段のひとつとして注目されているのが、「調理済みの冷凍食材」です。

厨房での衛生管理を徹底する上で、調理済み冷凍食材の活用は非常に有効な手段の一つとなります。あらかじめ加熱処理された食材を利用することで、施設内での調理工程が大幅に削減されます。

これにより、食材の下処理時に発生しがちな交差汚染や、調理担当者からの二次汚染といったリスクを低減させることができます。

 

調理済み冷凍食材が安全とされる理由

調理済み冷凍食材が食中毒リスクの低減に貢献するのは、その製造過程と利用方法に理由があります。

加熱が必要な食材については受け入れから加熱、冷却、包装、冷凍に至るまで、各工程で衛生管理が行われることで、汚染のリスクが最小限に抑えられています。

施設側では再加熱するだけで提供できるため、調理工程が簡素化し、厨房内での二次汚染の機会を減らすことにも繋がります。

 

徹底した衛生管理

調理済み冷凍食材を製造する工場では、食品衛生法に基づいた衛生管理が実施されています。加熱が必要な食材については中心温度を管理しながら、食中毒の原因となる細菌やウイルスを低減させるための加熱殺菌が行われます。

これにより、食材内部に潜む病原体のリスクが限りなく低い状態で商品を受け取ることができます。施設側での加熱不足による食中毒リスクを低減し、安全な食事提供を実現する大きな助けとなります。

また、加熱を必要としない食材についても洗浄処理に加えて、製造工程での徹底した「持ち込まない・広げない」管理が行われています。

 

調理員による二次汚染の回避

調理済み冷凍食材を活用する大きなメリットの一つが、調理員を介した二次汚染リスクの回避です。

過去に厚生労働省からは自治体の報告書をもとに、ノロウイルス食中毒原因は、約80%が調理従事者由来であったとのデータも公表されています。

調理済み冷凍食材を利用する場合、施設での調理工程が、食材のカットや下味付けといった下処理からではなく、冷凍された食材を再加熱する段階から始まるため、調理員が食材に直接触れる機会が大幅に減少します。

これにより、調理員の手指からウイルスが食材に付着するリスクや、まな板や包丁といった調理器具を介して汚染が広がる交差汚染のリスクを効果的に低減させることが可能です。厨房内の衛生レベルを保ちやすくなります。

 

手間の少ない再加熱で安全性を確保

調理済み冷凍食材は、湯煎やスチームコンベクションオーブンなどで再加熱するだけで提供できるため、調理工程が非常にシンプルです。この手間の少なさが、結果的に食の安全性を高めることに繋がります。

複雑な調理工程がなくなることで、ヒューマンエラーが発生する可能性が低減し、経験の浅いスタッフでもマニュアル通りに作業すれば、安全な食事を安定して提供できます。

 

リスクをさらに減らすためのポイント

調理済み冷凍食材は安全性が高い一方で、そのメリットを最大限に活かすためには、施設側での取り扱いにも注意が必要です。便利な食材であっても、基本的なルールを守らなければ、新たなリスクを生み出す可能性があります。

納品された食材の保管方法から、解凍、再加熱、提供に至るまでの各段階で、いくつかの重要なポイントを押さえておくことが、より確実な食中毒予防に繋がります。

 

中心部まで確実に再加熱する

調理済み冷凍食材を利用する上で最も重要なのが、提供前の再加熱を確実に行うことです。製品は工場で加熱殺菌されていますが、配送や保管の過程で万が一汚染があった場合に備えて十分に再加熱すると安心です。

 

パッケージ表示を守る

冷凍食材のパッケージには、メーカーが定めた最適な保存方法、解凍方法、加熱時間などが記載されています。これらの表示は、食品の安全性と品質を保証するための重要な情報です。

例えば、指定された冷凍温度(通常-18℃以下)で保管しなければ、品質が劣化したり、微生物が増殖したりする可能性があります。また、自己判断で加熱時間を短縮したり、不適切な方法で解凍したりすると、食中毒のリスクを高めることになりかねません。パッケージの指示を正しく理解し、マニュアル通りに運用することで安全に食事を提供しましょう。

再冷凍はしない

一度解凍した食品を再び冷凍することは、衛生上および品質上の観点から避けるべきです。食品を解凍すると、凍結によって活動を停止していた微生物が再び活動を始め、増殖しやすい状態になり食中毒のリスクが高まります。

また、再凍結は食品の細胞を破壊し、食感や風味を著しく損ないます。
必要な分量だけを計画的に解凍し、一度で使い切るという原則を徹底することが重要です。

 

加熱後はすぐに提供する

加熱調理によって多くの菌は死滅しますが、ウェルシュ菌のように熱に強い芽胞を作る菌は生き残ることがあります。こうした菌は、食品がゆっくりと冷めていく過程で増殖し、食中毒の原因となります。

加熱後の食材はすぐに提供し、室温に放置することは絶対に避けましょう。

おすすめの冷凍食材提供サービスは「まごの手キッチン」

厨房の衛生管理と調理負担の軽減を両立させたい高齢者施設には、グローバルキッチン株式会社が提供する「まごの手キッチン」の活用がおすすめです。

「まごの手キッチン」は、高齢者施設や介護施設向けの調理済み冷凍食材提供サービスで、湯煎や冷蔵解凍だけで手軽に安全で美味しい食事を提供できます。

調理済みの食材を利用することで、下処理や複雑な調理工程が不要となり、人手や調理器具の使用が最小限に抑えられるため、厨房内での交差汚染や二次汚染といった食中毒のリスクを大幅に下げることができます。


また、調理工程の簡素化は、調理スタッフの負担軽減や業務効率化にも直結します。

現在、グローバルキッチン株式会社では、高齢者施設で提供する食事や介護食を検討されているご施設様向けに無料サンプルをご提供しています。この機会に品質や利便性をぜひお確かめください。

 

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