10月の行事食!ハロウィンなどイベントにおすすめの食べ物をご紹介!
秋が深まり、過ごしやすい気候となる10月は、運動会やハロウィンなど、季節ならではのイベントが盛りだくさん。街の雰囲気もにぎやかになり、食卓にも秋らしさを取り入れたくなる時期です。
こうした行事は、介護施設を利用する高齢者の方々にとっても、季節を感じながら食事を楽しめる絶好の機会です。とはいえ、行事食をすべて手作りで準備するのは、スタッフにとって負担が大きいと感じることもあるでしょう。
本記事では、10月の代表的な行事の由来や、行事食におすすめのメニュー、高齢者施設で行事食を無理なく提供するための工夫をご紹介します。彩り豊かな食事で、利用者様に秋の楽しさを感じていただきましょう。
10月はどんな季節?イベントと食の魅力
10月は、朝晩の冷え込みが始まり、日中は快適に過ごせる秋の行楽シーズン。紅葉狩りや味覚狩り、地域の秋祭りなど、自然と文化を楽しめるイベントが各地で開催されます。さらに、ハロウィンもすっかり定着し、街中ではかぼちゃの装飾や仮装イベントがにぎわいを見せています。また、スポーツの日を含むこの時期は、運動会などの屋外イベントも多く、お弁当を囲む機会が増える季節。収穫の秋でもある10月は、旬の食材が豊富に出回り、「食欲の秋」としても親しまれています。こうした季節の行事に合わせて、食卓にも秋らしさを取り入れることで、より食事を楽しむことができます。
10月の主な行事とおすすめの食べ物
ここからは、10月に楽しめる代表的な行事と、それぞれにぴったりなおすすめメニューをご紹介します。季節感とイベントの楽しさを食事に取り入れるヒントとして、ぜひ参考にしてください。
衣替え:10月1日
衣替えとは、季節の変わり目に気候に合わせて衣服を替える、日本の伝統的な習慣です。この慣習はもともと中国の宮廷で行われていたもので、平安時代に日本へ伝わり、宮中行事として定着しました。衣替えの日が具体的に定められたのは明治時代のこと。洋服文化の広がりとともに、役人が制服を着用するようになったことがきっかけとされています。
現在では、一般的に衣替えは、夏服への衣替えが6月1日、冬服への衣替えが10月1日とされています。ただし、日本の地域によって気候が異なるため、それぞれの組織や家庭で独自に衣替えの日を定めていることも珍しくありません。
介護施設においても、利用者様の体調管理や快適さを考慮し、適切な時期に衣類を調整することが大切です。食事面では、体を温める根菜や煮物など、秋らしいメニューを取り入れることで、季節の変化を感じていただけます。
スポーツの日(10月第二月曜日)
10月の第2月曜日は、国民の祝日「スポーツの日」です。この祝日は、1966年に「体育の日」として制定され、2020年に「スポーツの日」に名称が変更されました。スポーツの普及と振興、そして健康な心身の育成を目的としています。
この日には全国各地でスポーツイベントや活動が開催され、運動を通じて健康増進が奨励されています。
介護施設においても、スポーツの日にちなんだ軽い運動会やレクリエーションを取り入れることで、利用者様に身体を動かす楽しさや季節の行事を感じていただく良い機会となります。 無理のない範囲で、体を動かす喜びを提供することが大切です。
運動会弁当
スポーツの日には地域によっては運動会が開催されることもあり利用者の方々にとってもかつての思い出を懐かしむ良い機会となるかもしれません。運動会といえばみんなで囲むお弁当が大きな楽しみの一つです。昔は家族に限らず、近所の人たちも一緒にお重に入ったお弁当を広げて食事をするのが一般的でした。運動会のお弁当にぴったりの食べ物としては、からあげ・卵焼き・おにぎりなどが定番です。
介護施設で提供する運動会弁当としては、嚥下しやすいように工夫されたおにぎりや柔らかく調理されたおかず、彩り豊かな野菜を取り入れることで見た目にも楽しいメニューがおすすめです。お弁当箱に詰めることで、特別感のある食事を演出できます。
十三夜(10月中旬~11月上旬)
十三夜は旧暦の9月13日の夜に行われる日本独自の月見行事です。その起源は平安時代にまで遡り、宮中での月見の宴から始まったと伝えられています。十五夜が中国から伝わった風習であるのに対し、十三夜は日本で生まれた独自の風習です。この行事では、美しい月を眺めながら、秋の収穫に感謝します。
特に栗や豆の収穫時期にあたるため、お供え物としては栗や豆などの旬の収穫物、そして13個の月見団子、ススキが飾られます。介護施設では、秋の風情を感じられる行事食として、以下のような食べ物が喜ばれます。
お月見団子
介護施設で十三夜のお月見団子を提供する際は、利用者様の嚥下能力に合わせて、やわらかく作ったり、ムース状にしたりするなどの工夫が必要です。また、見た目にも可愛らしく、季節感を感じられるように盛り付けを工夫すると、利用者様に喜んでいただけるでしょう。甘さを控える、きな粉やあんこを少量にするなど、健康面にも配慮しましょう。
栗、豆
十三夜は「栗名月」や「豆名月」とも呼ばれるように、この時期に収穫される栗や豆は、お月見のお供え物として欠かせない食べ物です。
介護施設で提供する際は、栗ご飯を柔らかく炊いたり、栗きんとんや栗羊羹など、利用者様が食べやすい形に調理すると良いでしょう。また、豆は茹でたり、煮豆にしたりして食べられることが多いです。豆を柔らかく煮込んだり、潰してサラダに混ぜ込むなど、様々な調理法で提供できます。食物繊維や栄養が豊富な栗や豆は、利用者様の健康維持にも役立ちます。
世界食料デー(10月16日)
世界食料デーは、毎年10月16日に制定された国際的な記念日です。1945年に国際連合食糧農業機関(FAO)が設立されたことを記念し、1981年に始まりました。この日は、世界の食料問題や飢餓の現状に目を向け、すべての人が十分な食べ物を得られる社会の実現を目指すための啓発活動が行われます。
介護施設においても、世界食料デーにちなんで、食べ物を大切にすることや食品ロス削減について考える機会を設けることができます。例えば、残さず食べる工夫を促したり、食材を無駄なく使う献立を考案したりすることで、利用者様と共に食の大切さについて意識を高めることができるでしょう。
ハロウィン(10月31日)
ハロウィンは、毎年10月31日に行われる秋のイベントで、古代ケルトの収穫祭が起源です。現在では、仮装やジャック・オー・ランタン、お菓子のやり取りなど、世界中で楽しまれています。日本でも、子どもから大人まで仮装を楽しむ季節行事として定着しています。
介護施設では、ハロウィンをテーマにした行事食を通じて、季節感や遊び心を取り入れることができます。かぼちゃを使ったメニューはもちろんのこと、色合いや形を工夫することで、見た目にも楽しく、食欲をそそるハロウィンらしい食事を提供できるでしょう。
かぼちゃ
ハロウィンに食べる食べ物として真っ先に思い浮かぶのは「かぼちゃ」ではないでしょうか。ハロウィンの象徴である「ジャック・オー・ランタン」もかぼちゃで作られています。元々カブで作られていましたが、アメリカでかぼちゃが使われるようになり、世界中に広まりました。
かぼちゃは栄養価が高く、ビタミンC・E、βカロテン、食物繊維が豊富です。介護施設でハロウィンの行事食としてかぼちゃを調理する際は、かぼちゃの煮物やスープ、マッシュしたかぼちゃを使ったサラダなど、利用者様が食べやすいように柔らかく調理したり、ペースト状にするのがおすすめです。また、かぼちゃプリンやスイートパンプキンなど、デザートとして提供するのも喜ばれるでしょう。
ハロウィンモチーフで見た目も楽しく
ハロウィンの食べ物としてかぼちゃ以外に、見た目でハロウィンの雰囲気を演出する工夫があります。特にメジャーなのは、ジャック・オー・ランタンに見立てたメニューです。三角の目とギザギザの口を海苔で作ったり、食材をくり抜いたりすることで、様々な料理をハロウィン仕様に変身させることができます。
他にも、おばけやミイラなどをモチーフにした食べ物も人気です。おばけは、しずく型にしたり、ご飯やパンを白くデコレーションしたりすることで表現できます。ミイラは、チーズやパイ生地をぐるぐる巻いて表現されることが多く、見た目にも楽しい一品になります。また、コウモリの形にくり抜いた食材を飾ることもよく見られます。
介護施設でこれらのモチーフを取り入れる際は、利用者様が安全に食べられるよう、食材の固さや形状に配慮することが大切です。やわらかいムース食やゼリーでハロウィンモチーフを作ったり、刻んだ食材で形を作るなどの工夫がおすすめです。
ハロウィンカラー(オレンジ・黒・紫)のメニュー
ハロウィン感を演出するためには、ハロウィンカラーであるオレンジ、黒、紫の食材を取り入れたメニューも効果的です。これらの色合いを意識することで、食卓全体がハロウィンの雰囲気に包まれます。
例えば、オレンジ色の食材としては、人参、柿、サーモン、かぼちゃ、パプリカ、オレンジなどがあります。かぼちゃを使ったスープやグラタン、人参のソテーなどは、鮮やかなオレンジ色で食卓を彩ります。黒色の食材には、黒ごま、海苔、ひじき、黒豆、ブラックオリーブ、オレオなどが挙げられます。黒ごまを使った和え物や、海苔で目や口の形を作って飾り付けをするのも良いでしょう。紫色の食材としては、なす、紫キャベツ、紫玉ねぎ、紫芋、ぶどうなどが利用できます。紫芋を使ったサラダやスイートポテト、紫キャベツのマリネなどは、美しい紫色でハロウィンらしい雰囲気を高めます。
これらのハロウィンカラーの食べ物を組み合わせることで、視覚的にも楽しい行事食を提供できます。介護施設で提供する際は、それぞれの食材の特性を活かし、利用者様が食べやすいように硬い野菜は柔らかく煮込んだり、細かく刻む、ペースト状にすることで、美味しく召し上がっていただけます。
紅葉狩り・秋の味覚狩り・芋掘り(10月~)
10月は涼しくなり、日中を快適に外で過ごせるため、行楽には最適なシーズンです。特に10月後半からは紅葉が色づき始めるため、紅葉狩りに出かける方も多いでしょう。また、梨狩り、ぶどう狩り、栗拾い、芋掘りなどの秋の味覚狩りも、この時期に楽しむことができる人気のイベントです。
実際に外出して味覚狩りを楽しむことが難しい場合は、施設内で秋の味覚を体験できるイベントを企画することがおすすめです。例えば、旬の果物を集めてきて試食会を開いたり、芋掘り風レクリエーションなどで季節の移ろいや収穫の喜びを感じていただけます。
行事食として、紅葉をイメージした彩り豊かなメニューや、秋の味覚をふんだんに使った料理を提供することで、季節の楽しみをより一層深めることもできます。
行楽弁当
秋の行楽シーズンには、お出かけ先でレジャーシートを広げてお弁当を食べるのが、何よりの楽しみです。外で食べるごはんは、いつも以上に美味しく感じられます。秋の行楽弁当としては、栗ご飯やきのこご飯、旬の果物など、季節を感じられる食材をふんだんに取り入れると、より一層秋の行楽を満喫できるでしょう。
もし外出が難しい場合は、お弁当スタイルの食事を提供することで行楽気分を味わっていただくことができるでしょう。メニューとしては、具材を工夫したおにぎり、彩り豊かな季節の野菜を使ったおかずや、鮭・鶏肉などのタンパク質をバランス良く取り入れたものがおすすめです。
食材を柔らかく煮込んだり、細かく刻んだり、とろみをつけるなど、利用者様の咀嚼や嚥下の状態に合わせて配慮したメニューが良いでしょう。お弁当箱に詰めることで、普段とは違う特別感を演出し、食事の時間がより楽しいひとときになります。
さつまいもメニュー
秋の芋掘りでたくさん収穫したさつまいもは、少し保存してから食べることで甘みが増し、より美味しくなります。優しい甘さとホクホク食感が魅力のさつまいもは、和洋中問わず幅広い料理に使える万能食材です。
介護施設でも、季節感を取り入れたメニューとして大活躍します。例えば、定番のスイートポテトは、裏ごししてなめらかにしたり、牛乳などで伸ばして柔らかくすることで、嚥下しやすいデザートになります。また、炊飯器で炊き込むさつまいもご飯は、手軽に作れて美味しく、栄養も豊富です。その他にも、さつまいもの煮物、大学芋、天ぷら、味噌汁の具など、多様なメニューに取り入れることができます。
さつまいもには、ビタミンCや食物繊維が豊富に含まれており、美味しくて栄養価が高いため、利用者様の咀嚼・嚥下状態に合わせて調理法を工夫して、提供しましょう。
まとめ
10月の行事食は、秋の深まりを感じさせる旬の食材と、ハロウィンなどの楽しいイベントが盛りだくさんです。ハロウィンは、かぼちゃはもちろんのこと、ジャック・オー・ランタンやおばけをモチーフにしたもの、ハロウィンカラーのオレンジ・黒・紫を取り入れたメニューなど、見た目にも工夫を凝らすことで、利用者様に喜んでいただけます。
ただ、特別な行事食の提供で利用者様に喜んでいただきたい一方で、介護施設で一からすべて手作りで行事食を提供するとなると、献立作成から調理、盛り付けまで、スタッフの皆様にとって大きな負担となることも少なくありません。そこでおすすめしたいのが、外部の食事提供サービスを賢く利用することです。
中でもおすすめなのが、グローバルキッチンが提供する「まごの手キッチン」。咀嚼・嚥下に配慮した介護食はもちろん、季節や行事に合わせた特別メニューも豊富に取り揃えており、調理済みの冷凍食材を湯煎や解凍するだけで提供できるため、現場の負担を大幅に軽減できます。
現在「まごの手キッチン」では、高齢者施設様向けに無料試食サンプルの提供を行っています。まずは実際に味や使い勝手を試してみることで、導入後のイメージをしてみませんか。利用者様には毎日の給食とは一味違う、特別感のある行事食を楽しんでいただき、スタッフの皆様には無理なく質の高い食事を提供できる環境を整えましょう。