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老人ホームの行事食とは?施設で提供する目的や季節のメニュー例を解説

老人ホームや高齢者施設では、入居者の皆さんが食事を楽しみ、日々の生活に彩りを加えるために「行事食」を提供しています。介護施設における行事食は、単に栄養を摂るだけでなく、入居者の心身の健康や生活の質の向上に大きく貢献しています。

この記事では、老人ホームで提供される行事食の具体的な内容や目的、入居者に喜ばれる具体的なメニューについて詳しく解説します。

老人ホームにおける行事食とは?普段の食事との違い

行事食とは、お正月やクリスマスといった季節のイベント、あるいは施設独自のイベントに合わせて提供される特別な食事を指します。普段の食事は「通常食」や「普通食」と呼ばれ、日々の栄養バランスを考慮した献立が提供されるのに対し、行事食はイベントに合わせた特別なメニューとして区別されています。

例えば、特別養護老人ホームや有料老人ホームなど多くの施設では、月ごとや行事ごとに決められた献立が行事食として取り入れられています。

普段の食事とは異なる見た目や味付けで、彩り豊かに工夫が凝らされており、入居者の皆さんは行事食の提供を心待ちにしていることが多いです。これにより、単調になりがちな施設での生活にメリハリが生まれ、食事の時間がより一層楽しいものとなります。

 

老人ホームが行事食を提供する3つの大切な目的

老人ホームで行事食を提供する目的は、主に3つあります。

行事食は、栄養補給だけでなく、入居者の生活に充実感をもたらす重要な役割を担っています。

 

1.食事を通して季節の移ろいを感じてもらう

高齢者施設での生活では、外出の機会が減ることで季節の移り変わりを感じる機会が少なくなりがちです。そこで、行事食を通して旬の食材を取り入れたり、季節の行事を意識した盛り付けにしたりすることで、食事から季節の移ろいを感じてもらうことができます。

 

例えば、春にはひな祭りのちらし寿司や桜色の和菓子、夏には七夕そうめんや土用の丑の日のうなぎ、秋にはお月見団子や栗ごはん、冬にはおせち料理やクリスマスケーキなど、四季折々の食材や料理が提供されます。

 

このように食事で季節感を味わうことで日々の生活に変化と刺激を与え、生活に張りをもたらす効果が期待できます。

 

2.普段と違う特別感で食欲を引き出す

日々の生活の中で食欲が減退しやすい高齢者にとって、行事食は食欲増進の大きなきっかけになります。施設での食事は栄養バランスが考慮されていますが、同じような雰囲気やメニューが続くと、食事への興味が薄れてしまうこともあります。

 

行事食は、普段とは異なる特別感のあるメニューや彩り豊かな盛り付けで、視覚や嗅覚を刺激するため、普段は食欲がない方でも食事への意欲が湧きやすくなります。

食事が楽しみになることで、必要な栄養を摂取しやすくなり、健康維持にも繋がるのです。

 

3.日々の暮らしに楽しみと彩りを添える

介護施設での生活は、自宅での生活と比べて単調になりがちです。

行事食は、食事を通して日々の暮らしの楽しみとなり、生活の質を向上させる大切な目的があります。

 

季節のイベントや伝統行事に合わせた特別な料理は、入居者の皆さんに心身の充足感をもたらし、施設内での交流やコミュニケーションの機会を増やすことにも繋がります。

例えば、クリスマスにはチキンやケーキ、お正月にはおせち料理など、季節のイベントに合わせたメニューが提供されることで、外出が難しい方でも季節の移ろいや行事の雰囲気を味わうことができます。

 

このように、行事食は入居者の生活に変化と彩りを添え、生きがいを育む大切な取り組みとなっているのです。

季節のイベントで楽しめる行事食のメニュー例

ここからは、季節ごとの行事やイベントに合わせて、入居者の皆さまに喜ばれる行事食のメニュー例をご紹介します。

 

春の訪れを感じさせる行事食(ひな祭り・お花見など)

春は、ひな祭りやお花見など、華やかな行事が多く、それに合わせた行事食が提供されます。

 

3月から5月にかけては、ひな祭りのちらし寿司や菱餅を模したお菓子、お彼岸のぼた餅やひし形の菓子がメニューに取り入れられます。また、4月には桜の季節に合わせて、花見を連想させる桜色の菓子や、春が旬の季節野菜を取り入れた料理が登場することもあります。

 

春らしい彩り豊かな食材や、季節を感じさせるモチーフを取り入れることで、入居者の皆さんに季節の訪れを感じてもらい、食事を通して楽しいひとときを過ごしてもらえるよう工夫されています。

 

暑い夏を乗り切るための行事食(七夕・土用の丑の日など)

6月から8月は初夏から夏に入ります。暑い夏には、食欲が落ちやすい時期だからこそ、さっぱりとした冷たい料理や、スタミナのつくメニューが行事食として提供されます。

 

7月には七夕にちなんで、天の川に見立てたそうめんや、彩り豊かなちらし寿司が定番です。さっぱりとした味わいの混ぜご飯も人気があります。

また、夏の風物詩である土用の丑の日には、うなぎを使ったメニューが提供され、夏を乗り切るためのスタミナをつけます。

 

その他、夏祭りなどをテーマに、焼きとうもろこしやたこ焼きなど屋台風の料理が提供されることもあり、スイカやメロンを使ったフルーツゼリーやかき氷風のデザートも夏の定番として喜ばれます。

 

冷たい麺類や旬の野菜を取り入れることで、食欲増進を促し、夏バテを防ぐ工夫がされています。

 

実りの秋を堪能できる行事食(敬老の日・お月見など)

実りの秋には、旬の食材をふんだんに使った行事食が提供され、食欲の秋を存分に堪能できるよう工夫されます。

 

9月には敬老の日やお月見に合わせたメニューが登場します。

お月見には、ススキとお月見団子をお供えし、一年で最も美しいとされる中秋の名月を鑑賞しながら、お団子を味わうことができます。

また、重陽の節句には、邪気払いの意味合いも込めて、菊の花をあしらった料理や、栗や秋野菜を使ったご飯、一品料理、デザートなどが提供されることがあります。

 

10月にはハロウィンにちなんだかぼちゃのポタージュやグラタン、11月には七五三を祝う飴が配られるなど、秋ならではのイベントを取り入れた楽しい献立が特徴です。

施設によっては、秋らしいバイキング形式の食事が企画されることもあり、レクリエーションの中で入居者が好きなものを選べる楽しみも提供されます。

 

心も体も温まる行事食(クリスマス・お正月など)

冬は、クリスマスやお正月など、特別な行事が目白押しで、心も体も温まるような行事食が提供されます。

 

12月にはクリスマスに定番のチキンやケーキが提供され、華やかな雰囲気を演出します。

大晦日には年越しそばが出され、一年の締めくくりを感じさせてくれます。

1月には、おせち料理やお雑煮など、お正月には欠かせない伝統的なメニューが並び、新年の訪れを祝います。

 

2月には、節分にちなんだ豆料理や恵方巻きが提供されることがあります。バレンタインデーには、ハート型のコロッケやチョコレート風味のスイーツなど、季節のイベントに合わせたデザートも人気です。

 

温かい鍋料理や汁物など、体を温めるメニューも豊富に用意され、寒い冬を快適に過ごせるよう配慮されています。

季節行事以外で提供される特別な食事の例

老人ホームでは、季節のイベントに加えて入居者の方に合わせて特別な食事が提供されることがあります。

 

お誕生日をお祝いする特別メニュー

多くの高齢者施設では、入居者一人ひとりの誕生日を祝う特別なメニューが提供されます。

誕生日は一年に一度の特別な日であるため、通常食とは異なる華やかな盛り付けや、本人の好みに合わせた料理が用意されることが多いです。例えば、お寿司や刺身の盛り合わせ、旬の食材を使った豪華な天ぷらなどが提供されることもあります。

 

デザートには、ケーキや旬のフルーツを添えたプリンなど、お祝いにふさわしい甘いものが用意され、誕生日をさらに特別なものとして演出します。

これらの特別メニューは、入居者自身の喜びだけでなく、周囲の入居者やスタッフとの楽しいコミュニケーションのきっかけにもなり、施設全体の雰囲気を明るくします。

 

好きなものを選べるバイキング形式の食事

施設によっては、普段の食事とは異なるバイキング形式の食事が提供されることもあります。

バイキング形式では、和食、洋食、中華など、様々なジャンルの料理が並び、入居者が自分の好きなものを自由に選んで食べることができます。これにより、普段の食事では味わえない選択の楽しみが生まれ、食欲増進にも繋がります。

 

また、目の前で調理してもらったり屋台のような雰囲気で料理が提供されるなど、趣向を凝らしたイベントが実施されることもあります。このような特別な食事は、入居者だけでなく、職員も一緒に食卓を囲むことで、より一層の交流が生まれる機会となるでしょう。

 

入居者一人ひとりに合わせた行事食の工夫

老人ホームでは、入居者一人ひとりの健康状態や身体能力に合わせた食事の工夫が凝らされています。行事食も例外ではなく、安全においしく食事ができるよう、きめ細やかな配慮がなされています。

安全に食べられるよう工夫された食事形態

老人ホームでは、入居者の咀嚼力や嚥下機能に合わせて、食事形態が細かく調整されます。

主な食事形態として「普通食」「やわらか食」「ソフト食」「ミキサー食」などがあり、噛む力が低下している方には、「やわらか食」や「ソフト食」が提供されます。

 

行事食の場合も、これらの食事形態に対応し、季節感を損なうことなく、安全においしく食事ができるよう、きめ細やかな配慮がなされています。

まとめ

老人ホームや高齢者施設で提供される行事食は、入居者の生活に季節感と楽しみをもたらす欠かせない取り組みです。普段の食事とは異なる特別感のあるメニューは、食欲を刺激し、心身の健康維持にもつながります。彩りや味、食べやすさへの配慮はもちろん、季節を感じるひとときが、入居者にとって日々の生活に彩りと喜びを添える大切な時間となります。

 

しかし、こうした行事食を安定して提供するには、調理現場の負担や人手不足といった課題がつきものです。そこで注目されているのが、外部サービスの活用。調理の効率化を図りながら、質の高い行事食を提供できる手段として、多くの施設で導入が進んでいます。

 

中でもおすすめしたいのが、完全調理済み冷凍食材を全国の施設へお届けしている「まごの手キッチン」です。栄養のプロが監修した美味しい食事を種類豊富に取り揃え、管理栄養士による毎月の献立もセットで提供しています。湯煎や冷蔵解凍で簡単に提供できるため、厨房の負担軽減にもつながります。

 

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