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介護食は食べやすさだけでなく見た目も重要!楽しく食べられる工夫とは

「介護食の見た目をよくしたい」「利用者に楽しく食べてもらうにはどうすればいいのだろう」と頭を抱えている方も多いのではないでしょうか。この記事では、介護食の見た目をよくして利用者が楽しく食べられる工夫について解説します。介護食の見た目が悪くなる理由や見た目をよくするメリットも解説しているので、ぜひ参考にしてください。

 

介護食で見た目が悪くなってしまう理由

介護食の見た目が悪くなりやすい理由は、通常の食事を小さく刻んだりペースト状にしたりするためです。介護食は利用者の状態に合わせた食事を提供する必要があります。

 

ミキサー食や流動食などの液状に加工された介護食は食材を噛みしめる感覚や風味を感じられないため、自分がどのような料理を食べているのかを理解しにくく、不安を抱く人も多く見られます。

 

介護食は見た目をよくする工夫が必要

 

介護食を美味しく食べてもらうためには見た目が肝心なため、見栄えをよくする工夫が必要です。食事の彩りや形が悪いと食欲が失せてしまい、途中で食べるのをやめてしまうかもしれません。

 

噛みやすく飲み込みやすい機能性の高い食事を作ることができても、見た目がよくなければ利用者に完食してもらえないでしょう。見栄えのする食事を作って利用者に楽しい時間を提供しましょう。

 

介護食の見た目をよくするメリット

 

介護食の見た目をよくすると、どのようなメリットが得られるのでしょうか。主なメリットは以下のとおりです。

 

  • 食欲が高まる
  • 食事から栄養を摂取できる
  • 精神的な満足感を得られる
  • 病気の予防につながる

それぞれのメリットについて見ていきましょう。

 

食欲が高まる

 

目で見て楽しめる工夫がされている食事は、食べる人の食欲を高めます。介護食は細かく刻んだりペースト状に加工したりして見栄えが悪くなりやすいため、形を綺麗に整える、色味を足して彩りを豊かにするなど、見た目を工夫することで食欲を高められます。利用者の食欲を高められる介護食を作ることができれば食事を残さずに食べてもらえるでしょう。

 

食事から栄養を摂取できる

 

体の健康を維持するのに必要な栄養を食事から摂取できることも、介護食の見た目をよくすることで得られるメリットです。加齢に伴って、高齢者の噛む力や飲み込む力は衰えてきます。例えば、繊維が多い食材が噛みづらくなったり、食べられるものが制限されて食事の摂取量が減少したりして栄養不足になることもめずらしくありません。

 

介護食の見た目がよくなると食欲がわいて完食する利用者が増えるため、食事からしっかりと栄養を摂取できるようになります。

 

精神的な満足感を得られる

 

介護食の見た目をよくすることで、利用者に精神的な満足感を感じてもらいやすくなります。介護施設に入所されている多くの利用者は自由に外出できない場合も多く、行動範囲に制限があるため日常生活で刺激を受ける機会も少ないです。そのため、食事が生きる楽しみになっているといっても過言ではありません。

 

1日のうちで唯一の楽しみともなりうる食事を目で見て楽しんで、美味しく味わうことができれば精神的な満足感につながります。日常生活にメリハリができ、楽しく生きる励みになるでしょう。

 

病気の予防につながる

 

食が進み十分な栄養が摂れることで、病気の予防効果が期待できます。食欲が低下すると摂取できる食事量が減って栄養不足に陥りやすくなり、病気を引き起こす恐れがあります。高齢者がエネルギーやたんぱく質などが不足して低栄養状態になると、体力が落ち、移動や食事をする際に介助が必要な状態を招いてしまうでしょう。

 

低栄養状態を予防するためには、見た目をよくして利用者に食べてもらえる介護食を提供し、栄養管理をしていくことが大切です。

 

介護食の見た目をよくするポイント

目で見て楽しめる介護食にするために押さえておくべきポイントは以下の3つです。

 

  • 料理の彩りを豊かにする
  • 型抜きなどで形を綺麗にする
  • 盛り付けや食器を工夫する

 

ここで解説するポイントを意識して介護食を作れば、利用者の喜ぶ姿が見れるでしょう。

 

料理の彩りを豊かにする

 

介護食の見た目をよくするためのポイントは、食材を盛り付ける際の色合いを工夫することです。食事の色合いに偏りがあると見た目が悪くなります。暖色系と寒色系の違いを理解していると、色合いを工夫しやすいでしょう。暖色系は食欲を増進させる効果があり、寒色系はストレスを和らげる効果が期待できます。

 

  • 暖色系:赤、オレンジ、黄色など
  • 寒色系:緑、黄緑、青など

 

暖色系と寒色系を上手く組み合わせると、美味しそうな料理に見せることができます。ムース食やミキサー食は、具材別にミキサーにかけるのがコツです。

 

型抜きなどで形を綺麗にする

 

料理の形を綺麗に整えたり並べたりすると食事の見栄えやバランスがよくなります。食材がバラバラに盛り付けられていると食べる人は雑な印象を受けやすく、食欲が失せてしまいます。

 

料理をやわらかく調理したことで形が崩れた場合は、どのような料理なのかわかるように成形しましょう。ムース食の場合、型に流して成形すると見栄えのよい盛り付けができます。

 

盛り付けや食器を工夫する

 

アクセントになるトッピングを足すと、彩りのよい食事になります。例えば、暖色系が多い煮物には青ネギや絹さやなどの寒色系の食材をプラスすると色合いのバランスが取れます。

 

選ぶ食器によって見た目をよくすることも可能です。白のお粥には黒の茶碗、彩りが豊かな野菜を使った料理には白の食器を選ぶと、料理を引き立てられます。ただし、握力が弱い利用者でも持ち上げられる重さの食器を選ぶ、食器を持てない人には一口で食べられる量に取り分けておくなどの工夫も必要です。

 

介護食の区分と特徴

介護食区分やそれぞれの特徴を把握していれば、利用者に合わせた食事を提供しやすくなるでしょう。ここでは、介護食の区分と食形態ごとの特徴を解説します。

 

そもそも介護食とは

 

高齢者は加齢に伴って噛む力や飲み込む力が弱まっていくため、利用者が安心して食べられる食事を提供するにはさまざまな工夫を凝らす必要があります。食べる方の状態に合わせて調理した食事のことを介護食といいます。介護食は噛む力や飲み込む力が低下しても対応できるように、いくつかの区分が設定されているので次項で確認しておきましょう。

 

介護食の区分

 

介護食の区分は食材の硬さや粘度などをもとに、次の4つに分けられます。

 

  • 容易にかめる
  • 歯ぐきでつぶせる
  • 舌でつぶせる
  • かまなくてよい

 

「容易にかめる」の区分は、硬く大きい食材は食べづらさがあるものの、飲み込む力に問題がない状態が目安です。メニュー例は、普通に炊いたご飯や水分量を多めにして炊いたやわらかいご飯、魚料理なら焼き魚、豆腐料理なら焼き豆腐を使用できます。

 

「歯ぐきでつぶせる」の区分は食材が硬かったり噛むには大きすぎたりすると噛みづらく、飲み込むのが困難という状態を目安にしています。メニュー例はやわらかく炊いたご飯や5倍の水で炊いたお粥、魚料理ならやわらかく煮たものがおすすめです。

 

「舌でつぶせる」の区分は、やわらかく調理された料理や食べやすいように細かくカットした食材は噛めるものの、水分をそのまま飲むとむせることがある状態が目安です。メニュー例は、5倍の水で炊いたお粥や絹ごし豆腐を使った湯豆腐、冷や奴などの料理が向いています。

 

「かまなくてよい」の区分は、固形物は食べづらく水分を飲み込むのが難しい状態が目安です。メニュー例はミキサーにかけたお粥や裏ごしした料理、粒が残るペースト状の料理などが挙げられます。

介護食の5形態

 

介護食の形態は利用者一人ひとりに合わせて選ぶ必要があるため、介護施設によって細かく設定されていることもあります。ここでは、主な区分5つについて解説します。食べる方に合った食形態を判断するときの参考になるでしょう。

 

きざみ食

 

通常の食事の味はそのままで食材を小さく刻んで噛みやすいように工夫している食形態を「きざみ食」といいます。噛む力が低下した人や口を大きく開けない人を対象にしています。

 

やわらか食(ソフト食)

 

歯ぐきや舌で簡単につぶせるやわらかさになるまで煮たり蒸したりした食形態の一つが「やわらか食」です。焼くよりも煮る、茹でる調理方法が適しています。対象者は噛む力や飲み込む力が低下している人です。

 

ムース食

 

介護食には、食材をミキサーにかけてゲル化剤で固め、ムース状にした食形態もあります。一般的に、「ムース食」と呼ばれています。ムース食に向いている人は噛んだり飲み込んだりする力が弱まっている人や口の中で食塊を作れない人です。

 

ミキサー食

 

料理をミキサーにかけて液状に加工した食形態のことを「ミキサー食」といいます。むせやすい場合はとろみ剤を使用してとろみを付けます。ミキサー食に向いている人は食材を噛んで飲み込むのが難しい人や胃腸の機能が低下している人です。

 

流動食

 

流動食は消化吸収しやすいように液状で提供される食形態です。流動食が向いている人は、消化器系の術後食が必要な人や高熱を出している人、消化機能が低下している人です。

介護食を作るときに重要なポイント

介護施設で職員が介護食を手作りする場合は、次に挙げるポイントに配慮しましょう。

 

  • 噛みやすくなるよう工夫する
  • 飲み込みやすくなるよう工夫する
  • 不足しやすい栄養を摂れる食材を使う
  • 塩分控えめの味付けにする

 

それぞれのポイントを詳しく解説していきます。

 

噛みやすくなるよう工夫する

 

噛む力が低下した高齢者にも対応できるように、できるだけ繊維が少ない食材を使用したり、硬い食材はやわらかく調理したりするのが介護食を作るときのポイントです。ゴボウやレンコンなどの繊維が多い食材は硬く噛みにくいため、刻んだり長く煮込んだりするとよいでしょう。

 

また、食材に切れ目を入れてから調理すると、やわらかい食感に仕上がります。調理しても硬い食材は噛みやすい大きさに刻んで提供しましょう。

 

飲み込みやすくなるよう工夫する

 

加齢に伴い、食べ物を飲み込む力が低下する高齢者も少なくありません。低下により、食べ物が上手く飲み込めなかったり、食道ではなく気管に誤って入り込んだりする場合があります。気管に食べ物が入ると肺炎になるリスクが高まるため、誤嚥を引き起こさない工夫をすることをおすすめします。

 

誤嚥を防止するためには、水分が多い料理にはとろみ剤や片栗粉でとろみをつける、ムース状に固めることも一つの方法です。

 

不足しやすい栄養を摂れる食材を使う

 

介護食を作る際は、不足しがちな栄養を摂れる食材を使用することも重要なポイントです。不足しやすい栄養は、たんぱく質や食物繊維、ビタミン類が挙げられます。

 

ムース食やミキサー食は水分を加えて加工するため、かさが増して少量を摂取するだけでは十分な栄養を摂れない場合があります。加齢によって食が細くなる高齢者も多いので、不足しやすい栄養を多く含む食材を積極的に使用するようにしましょう。

 

塩分控えめの味付けにする

 

不足しやすい栄養がある一方で摂りすぎに注意が必要なのは塩分です。塩分を摂りすぎると、高血圧のリスクを高めてしまいます。高血圧症は動脈硬化や脳梗塞などの病気を引き起こす場合もあるので、塩分を控えた味付けにしましょう。

 

塩分を控えるコツは、ケチャップやマヨネーズなどの塩分が少ない調味料を使用したり、料理によっては酢、レモン汁などの酸味を足したりするとよいでしょう。

介護食を楽しく食べてもらうためにできること

 

介護施設の利用者に食事の時間を楽しく過ごしてもらうためには、食事中の姿勢に気を付けてもらったり、施設側で食事の環境を整えたりして工夫しましょう。以下で詳しく解説します。

 

食事中の姿勢を正しくする

 

正しい姿勢で食事をしてもらうことで、利用者が誤嚥するリスクを下げられます。椅子に座って食事する場合は、座面の奥まで深く座っても床に足がつく高さの椅子を用意しましょう。テーブルと体の距離の目安は拳1個分です。

 

ベッドで食事する場合はベッドの頭側を45~80度に上げて、あごが引いた状態になるように、頭の後ろに枕やクッションを置いて調整しましょう。

 

食事の環境を整える

 

食事をしながら別のことに気を取られると、誤嚥のリスクが高まりやすくなります。食事の時間はテレビやラジオを消すようにルールを決めておくことをおすすめします。料理を美味しく見せるコツとして、照明の当て方を工夫するのも一つの方法です。

 

部屋が暗いと見た目のよい食事も美味しそうに見えません。食堂が暗い場合は、照明を明るくするとよいでしょう。

 

介護食の選び方

利用者一人ひとりに合った食形態を選ぶことが大切なポイントです。具体的には、利用者が食事のときに食べづらさを感じているのは何かを考え、状態に合わせて食材の硬さや食形態を選ぶようにしましょう。

 

噛む力が弱まっている場合

 

歯がない人や口周りの筋力が低下していて噛む力が弱まっている人には、「やわらか食」や「きざみ食」がおすすめです。きざみ食は食材が小さくカットされているため、噛む力が低下している人でも食べやすいでしょう。ただし、食塊を形成しづらいので誤嚥を引き起こす可能性があります。

 

やわらか食は歯ぐきや舌でつぶせるやわらかさで飲み込みやすいものの、料理によっては飲み込みにくいことがあるため、食形態が適切かしっかりと見極めましょう。

 

飲み込む力が弱まっている場合

 

飲み込む力が弱まっている人には、「ムース食」や「ミキサー食」「流動食」がおすすめです。いずれも噛む必要がないやわらかさに加工されており、食塊が作りやすく、とろみがあるので飲み込みやすいというメリットがあります。

 

一方で、料理をミキサーで攪拌してなめらかにする、汁物や水分が少なくパサパサする料理を適度なとろみで調整する、ムース状に固めるなどの作業工程が増えるため手間やコストがかかります。

 

専門家に相談する

 

利用者に適切な介護食を選べているのか不安や疑問がある場合は、専門家に相談することも一つの方法です。相談相手としておすすめの専門家は、食と栄養のプロである管理栄養士や医師、歯科医師などが挙げられます。なかでも管理栄養士は、献立や栄養管理の面からもサポートしてもらえるので相談先としておすすめです。

 

各指標を参考にする

 

介護食は手作りできますが、既製品を活用する方法もあります。味だけでなく、食べやすさや見た目にもこだわって作られているので、目で見て楽しめる食事を食べてもらうことができるでしょう。既製品を選ぶ際は、ユニバーサルデザインフード(UDF)の区分に対応しているか確認しましょう。

 

UDFの区分とは、先述した「容易にかめる」「歯ぐきでつぶせる」「舌でつぶせる」「かまなくてよい」の4つの区分です。UDFの区分を参考にすることで、利用者の状態に合わせて適切な食形態を選びやすくなるでしょう。

 

既製品を取り入れる際は、利用者一人ひとりの食事の様子を観察したうえで、UDFの区分を目安に介護食を選んでみてはいかがでしょうか。

 

介護食は見た目も楽しめるものを選ぼう!

 

介護施設で提供する食事の見た目にもこだわれば、利用者の食欲の向上や病気の予防などの効果が期待できます。使用する食材の色合いや料理の形、食器の色にも配慮して利用者に喜んでもらえる食事を提供しましょう。ただし、介護食は手間がかかるので既製品を活用するのも一つの方法です。

 

グローバルキッチンでは、調理済みの「高齢者食」や、やわらか食やムース食をご用意しているので、介護施設で介護食を提供したい場合にもスムーズに対応いたします。商品のラインナップは和洋中800種類以上と豊富で、管理栄養士が作成した飽きのこない工夫を凝らした献立が特徴です。

 

1日3食の定期利用はもちろん、人手が不足しやすい朝食などの必要なときだけスポット利用することも可能です。高齢者施設で提供する食事や介護食を検討されている方向けに試食サンプルを無料で配布しているので、介護施設職員の方や経営者の方はぜひお試しください。

 

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