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【施設向け】介護食の悩み|食べてくれないストレスの解決策を紹介

介護施設で提供される食事には、高齢者が食べやすいように配慮した「高齢者食」や、噛む力と飲み込む力の状態にあわせて提供できる「介護食」が挙げられます。介護食では食べやすさと栄養バランスのよさが重視されやすいため、おいしさが二の次になってしまうこともあり「まずい」というネガティブなイメージを持つ方も少なくありません。

 

この記事では、介護施設で介護食を提供する際によく聞かれる悩みを取り上げ、その原因や解決策を解説します。実際においしいと評判でコスパもよい介護食の提供サービスも紹介しているため、ぜひ参考にしてください。

 

介護施設での介護食の問題点・課題とは?

介護施設で食事を提供する際に、次のような内容が懸念点として挙げられています。

 

  • 食べ物が気管に入ってしまう
  • 食事が飲み込めない
  • 食欲がないため食べない
  • 介護食の調整に手間がかかる

 

それぞれについてどのような問題点や課題があるのか解説します。

 

食べ物が気管に入ってしまう

 

加齢に伴い、高齢者は食べ物を飲み込む力が弱くなる傾向にあります。飲み込む力が低下すると食べ物は食道ではなく誤って気管に入り、誤嚥してしまうこともめずらしくありません。正常であれば、誤って気管に食べ物が入ると気道を守るための反射で咳やむせが生じて、気管から食べ物が口内へ吐き戻されるのが一般的です。

 

しかし、喉の筋肉が弱まると反射による働きも低下しやすくなります。咳反射とは、気管に異物が侵入した場合に咳やむせを起こして異物を体外へ吐き出す働きです。咳反射が正常に働かず肺に異物が入ると、最悪の場合は誤嚥による肺炎を引き起こすことがあります。お茶や水などのサラサラしたとろみのない水分でも誤嚥のリスクが高まります。

 

食事が飲み込めない

 

食べ物が気管に入ることはなくても、飲み込みが難しくなることも高齢者の食事の問題点として挙げられます。

加齢によって唾液が分泌される量は減少しやすくなります。

 

唾液は口の中で噛み砕いたりすりつぶしたりして細かくなった食べ物をまとまりにすることが役割の一つです。唾液の分泌量が減るとまとまりをつくれず、一部の食べ物が喉に残ると気道を守るための反射として咳やむせが生じ、食べ物は口から吐き出されます。

 

咳やむせによって吐き出される食べ物の量が多いほど、食事の摂取量が少なくなって摂取できる栄養素も減ってしまいます。咳やむせの頻度が増えれば、食べることに恐怖心を抱く高齢者も増えてしまうかもしれません。

 

食欲がないため食べない

 

介護食を見ても「おいしそう」「食べたい」という気持ちにならないことも、介護施設の経営者や職員が頭を抱える悩みの一つです。高齢者は加齢によって腰やひざに痛みが出たり何かに興味・関心を持てなくなったりすると、活動範囲が狭まってしまいます。運動量が減ればお腹が空くこともないため、食欲は落ちる一方です。

 

加齢によって味覚が感じづらくなることも食欲の低下につながる場合があります。味覚は塩味から感じづらくなるため、味付けされた食事であっても「味が薄い」「味がしない」と感じやすくなります。味覚が鈍ることで「食べてもおいしくない」と感じた高齢者は途中で食べることをあきらめたり、食事を積極的に食べなくなる「欠食」に陥ったりする高齢者も少なくありません。

 

調理に手間がかかる

 

「手作りするのが大変」と感じる方が多いことも、介護食の問題点や課題に挙げられます。介護食を調理する際は、食材・味付け・調理法が被らないように献立を工夫したり、健康の維持に必要な栄養素を十分に満たしているかを確認したり、食形態ごとに調理・加工をしたりするなど、作業工程や注意すべきことが多くあります。これらの作業を毎日、毎月繰り返す必要があり、献立作成や調理に携わる職員の負担は大きくなるでしょう。

 

介護食の悩みの原因

介護施設で手間をかけてつくった介護食を高齢者に満足してもらえないと、ストレスに感じる経営者や職員の方も多いかもしれません。提供する際に悩みの種になっている原因を突き止めることができれば、悩みを解決できます。主な原因として挙げられるのは次の3つです。

 

  • 食事が食べづらい
  • 見た目が悪い
  • 高齢者の栄養状態が気になる

 

それぞれの原因について以下で詳しく解説します。

 

食事が食べづらい

 

介護食は食べる人の状態にあったものを選ぶ必要があります。使用する食材の種類や調理方法によっては、介護食にすると食べやすいケースと食べづらいケースがでてきます。ここでは介護食に使用すると食べやすいものと、介護食に不向きな食べにくいものを紹介します。まずは、食べやすいものからチェックしていきましょう。

 

  • お粥状のもの:お粥、パン粥など
  • ゼリー状のもの:ゼリー、卵豆腐など
  • ミンチ状のもの:つくね、肉団子など

 

お粥やゼリー、ミンチ状になったものはやわらかく、口の中に入れてもまとまりがあるので高齢者でも食べやすい食品です。食べにくいものに挙げられる食材は次のとおりです。

 

  • 噛み切りにくいもの:レンコン、かまぼこなど
  • むせやすいもの:とろみのない水分、酸味が強い食品など
  • 喉に残りやすいもの:パン、海苔など

 

レンコンのように繊維が多い食品や、かまぼこのように弾力のあるものは入れ歯を装着する高齢者の歯では噛み切りにくいため、介護食には向いていません。

 

レモンやグレープフルーツなどの酸味の強い柑橘類やサラサラした水分は誤嚥しやすいです。パンのようにパサパサと乾燥するものや味付けのりなどは喉に張り付きやすいため、喉を詰まらせる可能性があります。

 

見た目が悪い

 

提供する食形態によっては見た目が悪くなることがあります。介護食は、きざみ食やムース食などの数種類の食形態に分けられており、ミキサーにかけてなめらかにしたりゲル化剤を使用して形を整えたりと、調理後の作業工程が多い食事ほど一般食とかけ離れた見た目になりやすいです。

 

ムース食を例にした場合、食材や料理ごとにミキサーにかけてサラサラの液状にしてからムース状に形を整えるため、見た目からは何の料理なのか判断しづらくなります。

 

また、食品の形状はもちろん、素材本来の風味も味わうことができないため、食べる人は自分が何を食べているのかがわからず、食欲が低下してしまいます。高齢者の食欲が減退すれば食事の摂取量が減ったり欠食につながったりするため、介護食の見た目にも配慮しておきましょう。

 

高齢者の栄養状態が気になる

 

高齢者は消化機能が低下したり、食欲を失って食べるのを止めてしまったりする場合があり、体の機能を維持するために必要なたんぱく質が不足しやすくなります。

 

たんぱく質は内蔵の働きをサポートするだけでなく、骨や筋肉の生成・修復などに用いられ、人体に不可欠な栄養素です。たんぱく質が不足すると、免疫力や筋力が低下し、日常生活における自立度の低下につながる要因にもなります。

 

とくに、お粥の上澄みをすくった重湯や具なしのスープなどを提供する流動食の場合、食事から摂取できる栄養素は少ないため、低栄養の状態の高齢者に提供すると栄養失調に陥る可能性があります。

 

介護食の悩みを解決するためのポイント

介護食の悩みを解消するためには、次に挙げる3つのポイントを意識して食事を提供することが大切です。

 

  • その人にあった食形態を選ぶ
  • 見た目にこだわって調理する
  • 栄養素が豊富な食事を取り入れる

 

それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。

 

その人にあった食形態を選ぶ

 

介護食の悩みを解消する解決策の一つは、噛む力・飲み込む力の状態を把握した上で食べる人に適切な食形態を判断することです。介護食にはいくつかの食形態に分類されており、食形態ごとに食べる人の向き・不向きがあります。介護食の主な食形態4つと、それぞれどのような人に向いているのか表にまとめました。介護食の食形態を選ぶときの参考にしてください。

 

食形態

特徴

向いている人

きざみ食

  • 細かく刻んだ食事

噛む力が弱くなっている方

やわらか食(ソフト食)

  • 食感がやわらかくなるように加工されている食事
  • 食材の原型を再現しているので食欲が減退しづらい

噛む力・飲み込む力が弱くなっている方

ミキサー食

  • ミキサーでポタージュのような食感に調整された食事

噛む力が低下し、消化機能が弱くなっている方

ゼリー食

  • ゼリー状に固められた食事

噛む力・飲み込む力が低下している方

 

食べる人にあった食形態を選ぶことができれば食べやすい食事を提供できるため、食欲の増進につながります。

 

見た目にこだわって調理する

 

介護食の悩みに挙げられる見た目の悪さを解消できれば、高齢者に「食べたい」と思ってもらえる可能性が高まります。おいしそうと思ってもらえるような食事でなければ、高齢者の食欲を減退させる恐れがあります。

 

食欲がなくなると食事の摂取量が低下したり欠食したりする高齢者が増えてしまいますが、見た目のよさにこだわって調理や盛り付けをすれば高齢者の食欲を湧かせることもできます。

 

ただし、見た目に配慮して介護食を調理するためには、専門的な技術が必要です。介護施設に介護食に関する技術を持つ人材がいない場合は見た目をよくする方法がわからないため、悩みを解決することは難しいでしょう。

 

そこでおすすめの解決策は、外部サービスを利用することです。外部サービスを検討する際は、後述する「【宅配・通販】介護施設での美味しい介護食の選び方」の項目を参考にしてください。

 

栄養素が豊富な食事を取り入れる

 

介護食は見た目のよさだけでなく、体の健康を維持するために必要な栄養素がしっかり摂れる食事であることも介護食の悩みを解決する上で重要なポイントです。栄養素は食事から摂取する必要があるため、1食ごとに栄養バランスのよい献立を作成して高齢者が栄養不足にならないように対策しなければなりません。

 

栄養管理を徹底するためには、食と栄養の専門家である栄養士や管理栄養士を雇用する必要があります。しかし、雇用する人材が増えれば人件費の負担が大きくなることから、「施設の経営がままならない」と考える方も多いでしょう。

 

人件費をかけずに栄養豊富な介護食を提供するなら、管理栄養士によって栄養管理された介護食の導入を検討するのも一つの方法です。

 

調理済みの介護食も検討してみよう

ここまで介護食における悩みを解消する具体的な方法を紹介してきました。解決策はわかったものの、3つのポイントを取り入れた介護食を調理するとなると、「施設の職員だけで対応するのは難しい」と感じる場合も少なくありません。おすすめの方法として、「調理済み食材の注文利用」を取り入れることを検討してみてはいかがでしょうか。

 

調理済み食材とは、温めたりするだけで簡単に提供できる食事です。調理・味付けされた状態で包装されているため、必要な個数だけを温めてすぐに提供できます。

 

ただし、食事を提供する高齢者の状態や施設にあった調理済み食材を提供するサービスを選ばないと、先述した悩みを解決できないかもしれません。サービスを選ぶ際は、以下の美味しい介護食の選び方を参考にしてみてください。

 

【宅配・通販】介護施設での美味しい介護食の選び方

介護食を見た高齢者に自分が今どのような料理を食べているのかがわかり、「おいしそうだから食べてみたい」と思ってもらえる食事を提供するなら、調理済み食材の宅配・通販サービスの利用を検討してみることをおすすめします。ここでは、調理済み食材の宅配・通販サービスを選ぶ際に、どのような点に気を付ければよいのか以下で詳しく解説します。

 

見た目とおいしさにこだわる

 

介護食の外部サービスを利用する場合は、見た目と味のよさにこだわって選ぶことが大切です。見た目がよい介護食を介護施設で提供できれば、食事を見た高齢者が食欲を失うことを避けられます。

 

塩味を感じづらくなっている高齢者に配慮しておいしく味わえるように、見た目に配慮した工夫が施されている介護食なら食欲が湧きやすいため、食べる意識も高まるかもしれません。

 

ただし、介護食の見た目はホームページやパンフレットで確認できますが、本当においしいかどうかは実際に食べるまではわかりません。介護食の外部サービスの中には無料サンプルを配布している会社もあるため、無料で試食できるサービスを選ぶことをおすすめします。

 

保存期間にこだわる

 

介護食の保存期間は、外部サービスの保管方法によって異なります。介護食の保管方法は、常温・冷蔵・冷凍の3種類です。常温と冷蔵の介護食は保存期間が短いものもあり、必要数よりも多く注文した場合は余った食事は処分しなければならず、食品ロスにつながってしまいます。

 

冷凍保存できる介護食は、冷凍庫に保管すれば長期間の保存が可能なため、食品ロスを防げます。また、冷凍保存であれば冷凍庫に在庫として保管しておける上に、好きなときに必要な数だけを温めて提供できるので便利です。介護食の外部サービスを利用する場合は保存期間が長く、食品ロスを防ぎやすい冷凍の介護食を選ぶとよいでしょう。

 

栄養士監修かチェックする

 

栄養士が監修している介護食の外部サービスを選ぶことで、栄養管理の行き届いた食事を高齢者に提供できます。体の健康を維持するためには、必要な栄養素をバランスよく摂れる献立であることが重要です。栄養が偏った介護食をつくってしまうと高齢者は食事から十分な栄養素を摂れず、低栄養状態になる可能性があります。

 

栄養士が監修している介護食はバリエーションが豊富な献立が用意されており、献立ごとに栄養価が計算されています。そのため、食事を摂ることでどのくらいの栄養素を摂れるのか目安がわかるようになっているため便利です。

 

ほかには、食品アレルギーがある人へも配慮されているかどうかをチェックしてアレルゲン食品を使っているかどうかがわかれば、アレルギーのある人にも安心して提供できます。

 

まとめ

 

見た目やおいしさにこだわる介護食を提供できれば、高齢者の食欲が湧かないという悩みも解消でき、積極的に食べてもらえる可能性が高まります。しかし、食べやすさに加えて見た目やおいしさ、栄養バランスにこだわった介護食をつくるためには手間や人件費がかかります。

 

グローバルキッチンの「まごの手キッチン」は、「見た目のよさ」「味のよさ」「高コスパ」を同時に叶えられる調理済み食材を提供しています。高齢者に配慮された「高齢者食」や、「やわらか食」と「ムース食」の介護食に対応できます。

 

食と栄養のプロである管理栄養士が献立を作成しているため、栄養管理のサポートも可能です。「まごの手キッチン」では和洋中800種類以上の商品を用意しています。介護施設でバリエーションが豊富な介護食を提供できるため、高齢者が食事に飽きてしまう状態を避けることができます。高齢者施設で提供する食事や介護食を検討されている方向けに、無料サンプルを送付しています。介護施設職員の方や経営者の方はぜひ一度お試しください。


無料試食サンプル申込:https://www.global-kitchen.jp/request/

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